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人の共同体(=世間)は、
飽く迄健常者を基準に、
常に健常者の速度と律動に沿って営まれる。
健常者が世間に在って絶対多数を占める以上、
其は当然の事だ。
障害者が世間に在って生きる
―隔離された場では無く健常者と同じ場で―
と云う事は従って、
健常者の速度と律動に〔少しでも〕追い付くべく、
障害者自身〔と其の家族〕が生涯を懸けて努力し其を実践して行く、
と云う事に他成らない。
障害者が世間に在って生きる為の物的要件は確かに、
着実に整えられつつはある。
身体障害・特に肢体不自由については、
其が殆ど叶う領域迄来ている。
一方、脳の障害・特に精神外の其そして精神的要件については…。
一部の軽い精神遅滞(知的障害)・
特に「脳や身体〔の一部又は大部分〕が健常者よりも早く動かせる」其に関して言えば、
今や複数の業種・多くの企業に在って貴重な「戦力」と成るに至っており、
其の活躍振りが大手報道機関を通して数多く取り上げられている。
併し、一方……。
精神障害で無ければ知的障害でも無い脳の障害・即ち
「日常に於ける判断力は充分に在れど、或る能力が劣ったり欠けたりしている」障害・
其も「頭の回転や特定身体部位の動きが遅い」障害に関して、
語られる―少なくとも大手報道機関を通して―事は極少ない。
其の「…遅い」障害―「発達障害」の一種である―を巡る過去と現状・
そして将来の展望について語り、
「…遅い」障害を生まれ乍ら抱える人々が
「世間に在って(=健常者と同じ場で)、
〔無意識の内に〕逞しくそして打たれ強く、伍して生きる」
事が極当然と成る為に何をすべきか、
について共に考えて行く。
――是が、此の拠頁『遅・障・園』の目的である。
「…遅い」障害とは何か。――先ずは其を知る事無しに、
理解への道は始まらない。
為には先ず、具体的な例を一つ、挙げて語らねば成らない。
故に、其の「…遅い」障害を抱えて生きている一人を主人公に立て、
其の経歴について語る事から、此の拠頁は始まる。
「主人公の経歴」に続く
お 断 り
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